リンク先が消えていたり、リンク先の内容が変わっている場合があります。
2004/05/30

アレルギー増加は抗生物質に原因と 米研究

ぜんそくやアレルギーが世界の先進国で増えているのは、抗生物質の投与による副作用ではないか、という話。

免疫システムを狂わせる要因として、寄生虫がいなくなったことを上げている学者もいますが、抗生物質によるものと考えた方が、確かに「より」納得できる気はします。

花粉だって、ハウスダストだって、かつての日本、かつての欧米の方が、今より多かったでしょう。
なのに昔は、アレルギーで苦しむ人は、ほとんどいませんでした。
もちろんアレルギーという言葉自体が、昔はなかったわけですが。
それでも、今のように苦しむ人が昔も多ければ、それなりに注目されてておかしくなかったと思いますから、やはりそういう症状の蔓延は、近代以降に限ったものなのでしょう。

アレルギーに苦しまなくていいように、早くなりたいものです。

2004/05/24

夢の「マイタウン」、加州の町をオークションで購入

カリフォルニア州の、サンフランシスコから400キロほど北にあるブリッジビルという町が、70万ドル(約7840万円)で売れたそうです。

ブリッジビルは、かつては100人ほどが住んでいた、32.8ヘクタールの町。今は誰も住んでいない。
この町がオークションに出されたのは2002年12月。このときは約2億円ルで落札されたが、買い手と連絡がつかなくなり、オークションは頓挫。
しかし今年、オークションとは全く別のルートで買い手が現れたという。

32.8ヘクタールと言われてもピンとこないので、ちょっと換算してみましたが、32.8ヘクタール=328000平方m=東京ドーム約7個分らしい。坪数で言うと99219.554坪。
この広さでこの金額なら、確かに安い気もする。坪当たり790円ですから!

ところでこのニュース、なんとなく見覚えがあると思ったら、2002年12月29日に、ここの「気になるニュース」でも取り上げていました。

「前の所有者は30年前に15万ドルで買った」とか、「老朽化した設備を修理するには2億円近い金がかかりそうだ」という話もあって、なかなか微妙な感じ。

気になる方は、気になるニュース・バックナンバーの「2002/12」からどうぞ。ただし、リンク自体はすっかり死んでますが。

ちなみに、2002年当時に検索したとき、ブリッジビルの町並の写真もあったのですが、自然が豊かで、川が流れていて、とても美しいところでした。
しかし人が住んでいない町なので、自然は豊かでも、暮らしやすいかと言うと難しそう。
避暑地にするなら悪くないかな。

2004/05/24

憲兵ら、イラク人虐待コンテスト・米紙が軍報告入手
米軍のイラク空爆が結婚式直撃、ビデオ映像公開
米軍がサドル師派民兵組織を攻撃、34人死亡 イラク

イラク関係をまとめて3つ。概要のみまとめておきます。

1)
『23日付の米紙ロサンゼルス・タイムズは、軍の調査報告書に基づいて、バグダッド郊外の旧アブグレイブ刑務所内で憲兵による「虐待コンテスト」が行われていたと報じた』
『どれだけ多くの拘束者を泣かせたりできるかなどを競っていた』

2)
『映像は、結婚式で雇われたイラク人カメラマンが撮影したもの。人々が踊ったり、くつろいだりしている様子を撮影している。このカメラマンも爆撃で死亡した』
『住民の証言では、結婚式は18日から19日未明まで続き、終了直後に爆撃された』『しかし、米軍は(中略)誤爆とは認めていない。』

この記事は、日経新聞によれば以下の補注が付きます。

『映像には、色とりどりのリボンで飾られた新郎新婦を乗せた車が、ほかの白いトラックに先導されて走る場面や、白いドレスを着た花嫁が車から降りる様子などが収められていた。』
『駐留米軍のキミット准将は、現場から機関銃や外国人の旅券などが見つかったと説明しているが、映像には武器は写っていなかった。』

3)
この攻撃がモスク、つまり礼拝堂を対象にしたものであることが大変気になります。
イラク人にとっては聖地を汚されたと感じるでしょう。
またこの記事には『また、米軍はナジャフ近郊を空爆。同通信の通信員が14人の遺体を確認した。地元の医師は、死亡したのは主に一般市民や警察官のようだと語った。』という内容も記載されています。

2004/05/23

カンヌ映画祭:14歳柳楽君に日本人初の男優賞
宮崎淳監督にカンヌ「若い視点」賞
カンヌ最高賞にムーア監督、動転の涙

第57回カンヌ国際映画祭で14歳の柳楽優弥君が日本人初の男優賞。しかもこれは同映画祭の史上最年少記録。

受賞した本人も驚いたでしょうが、確かに最近、日本の子役って、ものすごく質が上がってると思います。
何年か前、Jリーグが盛り上がっているときも感じたのですが、新しい日本人は、精神的にも伸びやかで、自己表現が上手になっているのではないでしょうか。

今回のカンヌの目玉はマイケル・ムーア監督の「華氏911」でしょう。
イラク戦争を始めたブッシュ政権にまつわるドキュメンタリーであり、政治的な映画であるにもかかわらず、なんと最高賞を受賞してしまいました。
ドキュメンタリー映画の最高賞は、1956年の「沈黙の世界」(ジャック・クストー監督)以来だそうです。

記事には『記者会見でイラク戦争に反対したフランスだから受賞できたのではとの質問に「これはフランスの賞ではない。審査委員9人のうちフランス人は1人で、米国人が4人と多数を占める国際的な賞だ」と反論。「今では多くの米国人がフランスはよき友人で、米国に(イラク戦争は)誤った道だと言おうとしたのだ、と分かるようになった」と述べた。』とあります。

私は、作品の素晴らしさというよりも、マイケル・ムーア監督の反骨精神に贈られた賞ではないかと感じています。
(作品を実際に観れば、また意見が変わるかもしれませんが。)
度重なる妨害の中、制作を押し通したと聞いています。
カンヌの直前、ディズニー映画から「アメリカでの上映拒否」の圧力もありました。

ムーア氏の著書を読んでみても、彼のブッシュ批判は徹底しています。
ムーア氏の発言が全て憶測に過ぎない可能性もあることは分かっていますが、それでも私は「華氏911」を早く観たくて仕方ありません。
イラク戦争とはいったい何なのか。これは今、地球上で最も多くの人が知りたいことでしょう。

第57回カンヌ国際映画祭の主な賞は次の通りです。

・最高賞:「華氏911」(米国、マイケル・ムーア監督)
・審査員特別大賞:「オールドボーイ」(韓国、パク・チャヌク監督)
・女優賞:マギー・チャン(香港、「クリーン」)
・男優賞:柳楽優弥(日本、「誰も知らない」)
・監督賞:トニー・ガトリフ監督(アルジェリア、「エグザイルス」)
・脚本賞:アニエス・ジャウィ、ジャンピエール・バクリ(フランス、「ルック・アット・ミー」)
・審査員賞:イルマ・P・ホール(米国、「レディ・キラーズ」)、「トロピカル・マラディ」(タイ)
・国際批評家連盟賞:「華氏911」

2004/05/23

小泉首相訪朝:被害者5人、複雑な表情 家族会は怒り
「米に引き渡される」ジェンキンス氏、首相の説得拒む
「ジェンキンス氏の重罪、日本に通告済み」米国防総省

小泉首相が北朝鮮から帰国しました。

拉致被害者の一部の方の家族は、日本への帰国が決まり、その意味では拉致問題は前進しました。このことは評価すべきだと思います。
しかし一部の方は帰国できませんでしたし、拉致疑惑の方々の消息は相変わらずはっきりしないままです。
家族数名と、食料25万トン+医療1千万ドル分の支援を交換してきた結果となったことに、家族会のメンバーからは「最悪の結果」と批判が噴出しています。

こうした中、まず注視すべきは曽我ひとみさんの夫チャールズ・ジェンキンス氏の判断です。
彼は、日本に帰国すればアメリカに引き渡され、結果的に北朝鮮で暮らす以上に酷い状況になるのではないかと、小泉首相の説得を拒んだそうです。
事実アメリカはジェンキンス氏を、現在も軍事裁判で裁かれるべき対象と考えています。
アメリカが今の立場を取り続ける限り、ジェンキンス氏は北朝鮮に留まらざるえないでしょう。

私は今回の結果に対して、どう評価すべきか非常に迷っています。

恐らく小泉首相は、年金問題のゴタゴタを解消したい意図もあって、北朝鮮から家族を連れ戻したという実績を作ろうとしたのだと思われます。
その意図はある程度当たったように見えますから、首相の立場から見れば決して悪い結果ではないでしょう。
また戻ってきた家族にとっても、総合的には良かったと思います。

しかし、支援を確約させられ、経済封鎖も行わないという約束までしてしまったことを考えると、今後の進展が果たして得られるのかどうか、非常に不安にも感じられます。
家族が行方不明になり、拉致されたのではないかと考えている家族会のメンバーにとっては、自分達の切り札が消えてしまったようにしか、おそらく感じられないでしょう。

これは家族会だけの問題ではありません。
お隣の韓国でも同様に拉致被害者がいて、家族が戻ってくることを強く願っています。
小泉首相が北朝鮮に約束した支援は、結果的に、韓国の切り札を奪うことになる可能性もあるのです。

こうした不安も強いだけに、今回の結果を喜ぶべきなのかどうか、判断ができません。
判断ができるには、まだしばらく時間が必要なのでしょう。

2004/05/22

デジカメの平均撮影枚数、60代がトップ
デジタルカメラの写真プリント状況に関するアンケート調査

『ユーザー全体の月間撮影枚数は平均29.91枚』

年代別月間撮影枚数は以下の通り。
・60歳代:43.36枚
・50歳代:28.40枚
・40歳代:20.29枚
・30歳代:25.66枚
・20歳代:30.79枚

被写体ベスト3は以下の通り。
・旅行先などの風景(63.9%)
・子ども(54%)
・入学式・卒業式などのセレモニー(34.2%)

というわけで、実は60代の方が最もデジカメを活用しているようです。
定年後の趣味って感じかな?
旅行に行くのが増えるのも60代ですものね。

また自宅プリントの目的は。
・年賀状・ポストカード等を作るため(59.6%)
・父母や家族に贈るため(47.7%)
・アルバムにして保管するため(44.4%)
・友人・知人・恋人に贈るため(38.3%)

自宅のプリンタの使用頻度は、月平均12.20枚で、60代の女性は19.07枚。

より高解像度のデジカメを持っている人は枚数が増えるそうです。
これはむしろ、「美しいものに惹かれる人ほど、カメラもよいものが欲しくなる」と言いかえるべきかもしれません。

2004/05/22

ヤコブ病病原体となる異常プリオン、高率で人に感染か

イギリスでは、1万人に3人、BSE(狂牛病)の病原体となる異常プリオンに感染か?

『試算では、英国全体で約3800人が異常プリオンに感染している可能性がある』そうです。
『英国の感染者は、多く見積もっても数百人程度と考えられてきた』そうですから、予想の10倍近く、感染率が高かったことになります。

これはかなり怖い数字です。
人から人へは直接感染しないものの、感染していることに気が付かないまま、献血や臓器献体をしている人も十分考えられますから。

『日本の場合、感染牛が少ない上に、BSEが発生してから(全頭検査など)十分な対策が取られているために、英国のような高い感染率は考えられない』そうですが、仮に感染した場合の死亡率が異常に高いことを考えると、そうそう油断もできないだろうと思います。

仮にイギリスの百分の1の感染率だとしても、日本に350人の感染者がいる計算になるのですから。

2004/05/22

古美術店で買ったキリスト像、ミケランジェロ作と結論

久々にちょっといい話。

イタリア・フィレンツェ市内の古美術品で買った、高さ40センチ余りの木製キリスト像が、鑑定してみたらミケランジェロ作だったそうです。

いくらで購入したものかまでは記事に書かれていませんが、どんな金額で買ったにせよ、売れば青天井の金額でしょう。
もっとも『幸運な所有者は「売る気はない」』そうです。

記事には写真も付いていますが、確かにかなりリアルで精巧な感じです。
いい仕事してますな。

2004/05/21

【50人に聞きました特別編】アスキー社員50人に聞きました!「自宅のマシンのCPUは何ですか?」

コンピュータに対して一番敏感であろう会社に勤めている人達のパソコンのCPUは、どの程度のものなのか?

ざっと見た感じだと、1.7GHz〜2.4GHzあたりが大半かな?
でも1GHzやそれ以下のCPUもちらほら。

私は個人的に、PC初心者のパソコンは、1GHzあれば十分、と考えています。
TVキャプチャーとか、動画の制作とか、ちょっと凝ったことを始めれば、1GHzでは不足と感じ始めますが、インターネット、メール、書類作成、ちょっとした金銭整理程度なら、1GHzなくても支障は感じません。

私はコンピュータを触り始めて20年以上になりますが、メインで使っているマシンは1.2GHzです。
これで大半の作業は済んでしまいます。
サブで1.7GHzのマシンも使っていますが、これを使うのは、動画や音楽系の作業、そして3D系のゲームのときぐらい。
そういえば最近、ゲーム全然やってないなぁ…。

2004/05/21

《虐待刑務所》を取り壊し、全てを忘れましょう?

イラクのアブグレイブ刑務所…と言えば、フセインの恐怖政治の象徴でもあり、同時に最近はアメリカ兵によるイラク人虐待の場として有名ですが…。

なんと、アメリカの下院で、この刑務所を取り壊し、近代的な拘置施設を建設しよう、という法案が20日に通ったのだそうです。

このニュース、まだ国内メディアではほとんど取り上げられていません。
リンクの記事は、アメリカの記事を元に「海外ボツ!News」さんが流しているもの。

アメリカによる虐待を調査している状況の中で、刑務所を取り壊すとしたら、それは調査に対する妨害(証拠隠滅)でしょうし、そもそもイラクの建物を取り壊すかどうかはイラク人が決めるべきこと。

アメリカは占領軍ですから、一応は占領軍としてイラクに干渉ができますが、それはアメリカの主観での話。
そもそもイラク戦争は国連が認めた行為ではないので、公的にはイラクの主権はイラク人にあるべきなのです。

ここでもアメリカのおごりと身勝手さが出ている、と私は思います。

2004/05/21

韓国歌謡界に「安室奈美恵ショック」
【コラム】日本大衆文化、その力に触れた

珍しく歌の話題。

韓国で行った安室奈美恵のコンサートが、韓国でとても評判が良いです。
韓国のマスコミと言えば、日本に対して辛辣な書き方をするのが常ですが、安室の扱いに関しては別格。

『安室奈美恵本人の能力はもちろん、バックバンドの演奏力や舞台構成など、全ての面で日本の大衆音楽のレベルの高さを見せられた』
『安室奈美恵を音程もろくに合わせられないような韓国のアイドルスターと同格に扱ってきた韓国の芸能界に反省を促す公演だった』

いや、音程を合わせられない口パクのミュージシャンなんて、日本にもたくさんいますから、そこまで卑下する必要もないかと思いますが。

ただ、『JOINS』のコラムの内容を見てみると、なるほど、そういう見方もあるのかと感心もしました。

『アジア諸国で唯一、ビートルズがコンサートを行った国。ジャズをはじめ、数々のジャンルでは世界最高の市場を誇った国。特有の「オタク」文化で、いかなる音楽でも、まず入ってくれば、流行した後消え去るのではなく、蓄積される国。こうした特徴が、日本の大衆音楽を発展させてきた力ではないだろうか。』
『音の幅は多様だが、その情緒は一貫している。こうした音楽を可能にしたのは、偏見を持たず、長い間、多くの音楽に接しつつ育ってきた日本人の環境のおかげだ。』

日本人の音楽に対しての接し方は、確かにちょっと独特なのかもしれません。

個人個人で好きな音楽を見つけて、それにのめりこむ。
そして好きな理由は、ただ「自分にとって気持ちいいから」。
クラシックからジャズ、ロック、歌謡曲、民族音楽。好きならなんでもどんどん吸収してしまう。
音楽を「流行りのもの」として消費してしまうように見えて、実は消費してしまったと見えたものも、きちんとどこかに蓄積されている。

そういう聴き方をしている人って、日本じゃ割と当たり前だと思うんですが、以外とそういう国って珍しいのかもしれません。
日本人の持つ、好奇心の強さ、コレクション好きな性格が、こうしたところでも特異性を見せているのかもしれない、と思いました。

2004/05/21

なぞのブヨブヨ浮遊物 有明海に大量発生

私は別に政府批判をしたくてこのページを書いてるわけじゃないんですけど、結果的に政治批判ばっかになっているのが悲しいです。

有明海にゼリー状の浮遊物が大量に発生し、定置網漁が壊滅的な打撃を受けているようです。

このゼリーの正体について、2つの憶測が飛び交っています。
一つは『干拓工事で地盤固めに大量に使用された生石灰に刺激されたケイソウが出した粘液の可能性が高い』という意見。
もう一つは『ゴカイなど底生生物から放出された卵塊に海中の泥やプランクトンが付着した可能性が高い』という意見。

前者であれば、干拓事業による自然破壊ということになります。
しかし、後者であっても、干拓による影響である可能性は大変強いでしょう。
ほっといてよいものではないはずです。
どちらであれ、干拓以来、漁業が壊滅的な状況になっていることだけは確かです。

今からでも開門し、『調整池に海水が入れば従来の浄化作用が戻るだろう』という意見もありますが、その望みもそろそろ消え去りそうです。
政府には、開門する気も、きちんとした調査を行う気も、未だにないのですから。
干拓以降、有明海は死の海になりつつあります。

2004/05/19

ウィニー事件で拘置理由開示、開発者は容疑を否認
ウィニー:「著作権侵害するなど、分からず」東大助手
ウィニー開発の金子容疑者が全面否認「幇助の覚えはない」

Winny作成・配布で逮捕された東大大学院助手金子氏ですが、全面否認しているとのこと。

「ウィニーを開発したのはファイル交換システムを改善する技術を検証するためであり、著作権侵害をさせるためではない」というコメントは理解できますが、第三者が著作権を侵害する可能性を予測していなかったはずはないので、結局はそこに重きを置くかどうかで判断が変わってくるでしょう。

技術促進の面では、彼は世界的にも重要な技術者と言えるでしょう。
P2P技術は、世界的に最も重要視されているIT技術の一つだからです。
しかし著作権法から見たとき、彼が作成した技術が、間接的に、法の定める禁止事項を脅かしていることも、また間違いありません。

問題は、間接的な行為が、法で裁くべき対象となるのか、ということです。
間接的である限り、程度問題ということで、判断は曖昧にならざるをえません。

ただ、「捜査側は思い込みに基づいて作文のような調書を作成し、無理矢理、署名押印を強要している」という訴えはかなり気になります。

警察は逮捕当初、『調べに対し、「結果的に自分の行為が法律にぶつかってしまうので逮捕されても仕方ない」と供述している』と発表していました。
この文にも「操作側の思い込み」が混入しているような気がしてなりません。

2004/05/17

年金法案の今国会成立反対が7割 朝日新聞社世論調査

私も反対です。

小泉首相の国民年金未加入に関しては、それはそれで良いでしょう。しかし、情報の公開のタイミングがあまりにも酷過ぎます。
あたかも「年金法案の成立のためなら、国民の信頼など失ってもよい」と言ってるようなもの。
子供の言葉遊びのような言い逃れを首相という立場の人がやる、そのことが既に情けないです。

そもそも、これほど多くの議員が年金を支払っていない状況の中で作られた法案です。法案自体がまともな内容であるとはとても思えません。
ここで仕切り直しができないようでは、日本の政治不信、いや、政治家不信を止めることはできないでしょう。

正直に書きますが、私は政治家が年金を支払っていないこと自体は、もう今更仕方が無いことだと考えています。
所詮、年金制度そのものに問題があるのです。

しかし、そうした事実が、法案成立のタイミングを優先して、隠されていたことに、大きな不満を感じているのです。

2004/05/17

収容者への威圧、「国防長官が承認」 米誌報道
過酷尋問の極秘作戦、米国防長官が承認…米誌報道
国防長官が特殊尋問承認 イラク人虐待で米誌報道

イラク人虐待を奨励する「極秘作戦」を、ラムズフェルド米国防長官が承認していた、という記事が米誌ニューヨーカー(電子版)で配信されているようです。

現時点では、本当に裏が取れている情報なのかどうか、確信は持てませんが、これまで出てきている情報を考えると、上層部が全く関知していなかったとは、ちょっと思えません。

2004/05/16

米CBS調査でも…米大統領支持率は最低
イラク人虐待:奨励する米軍内部報告書が存在 米誌報道
サマワ情勢急激に悪化、2日連続の銃撃戦 民兵側に死者

解説は不要でしょうから省略…。

2004/05/16

なぜ ビラ配布で 拘置75日

『東京都立川市内で、防衛庁官舎に反戦ビラを配っただけで逮捕され、拘置が続いていた市民団体のメンバー三人が十一日夕、七十五日ぶりに保釈された』
『東京高裁が地裁八王子支部の保釈許可を支持したため、外に出られたが、保釈金は三人合わせて四百五十万円に上る』
『アムネスティ・インターナショナル(本部・ロンドン)が思想信条を理由に拘禁された「良心の囚人」に認定した』

私もこの事件は気がかりでした。
まず、ビラ撒きに苦情が出てた様子もなく、どう考えても、逮捕すべきと思えるほどのことをやっていたとは見えません。
しかも住所不定とか、逃げ出すとか、証拠を遺棄するとか、そういう心配があるとも思えないのに2か月半も拘置され、しかも一人150万円もの保釈金が必要。
これはいったいなんなのでしょうか?

この記事でも『戦時体制の中の言論の封殺が始まり、沈黙が沈黙を呼ぶ社会にはまりこんでいくのではないか』という不安が語られていますが、私も同様の不安を感じています。

日本は、個人的な意見を公の場で公開する自由を持っている国だったはずです。
しかし現実には、政府の方針に反対する人が、少し声高に意見を述べただけで、こうして社会的に抹殺されてきています。
アメリカも日本も「自由」のない国になっていこうとしてるのではないのでしょうか。
私は、自分の次の世代を、自由の無い国に投げ込みたくありません。

2004/05/16

女児誘拐:「帰りたくない、沖縄に誘った」と女児話す

子供を、その保護者でもない人が勝手に連れ出せば、これは誘拐と言われて仕方が無い。
それは当然のことなのですが…。

どうもこの記事を読む限り、誘拐の容疑者は、善意で子供を連れ出し、子供もそれを唯一の救済だと感じていたようです。

子供が『家庭内の問題などを口にし、「警察や相談所に相談したのに取り合ってくれなかった。私はもうあの家には帰りたくない」と話した』というのは、事実として重く見なくてはならないでしょう。

家庭に問題があり、しかも相談所も警察もあてにならない。そんなとき、第三者が迷いに迷った末に、救いの手を差し伸べた…。

もしそれが事実なのだとしたら、それは少なくとも、誘拐犯として裁くべき事件ではないような気がします。
むしろ相談所や警察が何をしていたのか、問われるべきでしょう。

もちろんすぐに結論が出せるものではありません。
事実関係をしっかり調査しなくてはなりません。
ただ、こうした言葉が子供から発せられた以上、容疑者を通常の犯罪者として扱う愚だけは避けてほしいと感じました。

2004/05/14

ブラウザーを乗っ取ってポルノをばらまく悪質なスパイウェア

ずいぶん嫌なスパイウェア・ウィルスが流行ってきています。

ブラウザを起動すると、ポルノのポップアップをたくさん表示し、お気に入りにはポルノサイトを100単位で登録、パソコンの動作は重くなる。
しかもこのスパイウェアは、自分を自動的に新しいバージョンに書き換えもすることもあって、ウィルス検知ソフトを使っても、なかなか見つからない…。

実は先日、あるご家庭のパソコンがこれに感染してしまっていたようなのですが、私はその時点ではこのスパイウェアの存在を知らなかったため、十分な対策を取ることができませんでした。

現時点では、これに感染したら、できるだけ早く必要なものだけバックアップし、パソコンを初期化するしかないようです。
こういう嫌な目に遭う前に、自分のパソコンの中身はしっかりバックアップしておきましょう。
(と言ってはみても、パソコンをかなり使いこなしている人にとっても、これは実に難しいことなのですが…。)

2004/05/14

Zone Labs、無料のパーソナルファイアウォール「ZoneAlarm日本語版」
ZoneAlerm日本語版を、今の時期に無償配布するビジネスモデルとは?
ZoneLabs 日本語ホームページ

無料のパーソナルファイアウォール「ZoneAlarm」に日本語版が登場しました。

このZoneAlarmは私も使っているファイアウォールソフトです。
インターネットからの攻撃から身を守るために有効で、しかも無料版でも十分な効果があるお勧めソフトだったのですが、これまでは英語版しかありませんでした。
一応、英語版を日本語化できるソフトも配布されてはいましたが、日本語化できる英語版のバージョンが古かったりと、パソコン初心者の人にお勧めするには心もとない感じだったわけです。

ところがこのたび、メーカーのZoneLabsが、正式に日本語版を出してくれました。
これで堂々とお勧めできる条件が揃った感じです。
実際、WindowsXPのファイアウォール機能よりも、こちらを使った方が安全ですし、Windows98やWindowsMeでも問題なく使えます。
買えば数千円するソフトですから、ぜひ使ってみてください。

ただ、実際に使い始めると、本当の初心者ユーザーには、少々難しい面もあります。

ZoneAlarmは、ソフト個別に、インターネット接続を許可するかどうかを設定できるのですが、初期値は「全て接続しない」になっており、何かのソフトがインターネットに接続しようとするたびに「接続を許可しますか?」と尋ねてきます。
で、ブラウザやメールソフトなど、本当に必要そうなものだけ許可して、その状態を覚えさせていく、という使い方をします。

見なれない怪しいソフトが、勝手にインターネット接続しようとすると、それを確実に発見できるわけですが、ここで「よく分からない」からと「なんでも許可しちゃえ」なんて使い方をしてしまうと、なんのために導入したか分からなくなってしまうわけです。

このへんの判断が多少でもできないと、「よく分からないソフト」になってしまいますが、逆に多少でも分かる人には「すごく便利な優秀なソフト」となります。

ちなみにこの「無料の日本語版」、ZoneLabsの日本語ホームページの左下にある「Zone Labsのセキュリティ製品と情報」から「Zone Alarm」をクリックすればダウンロードできます。

2004/05/14

講談社漫画賞に4作品

第28回講談社漫画賞が12日に発表されています。

●児童部門 「ウルトラ忍法帖」シリーズ(御童カズヒコ氏)
●少年部門 「遮那王−義経−」(沢田ひろふみ氏)
●少女部門 「のだめカンタービレ」(二ノ宮知子氏)
●一般部門 「バジリスク〜甲賀忍法帖〜」(原作・山田風太郎氏、漫画・せがわまさき氏)

私はこの中だと「のだめ」しか読んだことないですが、「のだめ」は確かに面白いです。音楽好きな人にお勧め。

2004/05/12

あらゆる輸入音楽CDに規制を?――危険な著作権法改正が進行中

昨日書いた輸入音楽CDが買えなくなる可能性について、ITmadiaがより詳しい話を書いてくれています。

この記事は5/4に「新宿ロフトプラスワン」で行われたシンポジウムイベントに沿ったもの。
このイベントは音楽評論家のピーター・バラカン氏と高橋健太郎氏の2人が発起人でした。

記事の内容を検証してみると、確かに危惧が強くなります。
今年1月の時点では『邦楽CDの還流阻止を目的として行われる法改正』であったものが、既に現時点では、『いつの間にか、あらゆる輸入CDを対象とするよう、すり替わっていた』のですから!

こっそりとすり替わっていたのは、全米レコード協会(RIAA)と国際レコード産業連盟(IFPI)の介入が原因である可能性が強いとのこと。

「パブリックコメントの中では、RIAAやIFPIは“並行輸入を憎む”と正直に記述している。彼らも、日本という、非常に高い価格でCDを買ってくれる市場をブロックして、十分な利益を上げようとしていることが文中から読み取れる。参議院の審議の中では『輸入盤が止まるようなことはない』と政府は盛んに言っていましたが、そうではないということがそこで分かったわけです」(民主党・川内博史衆議院議員)。

恐ろしいことに、この変更は表立って論争されることもなく、既に参議院を通過してしまっています。
5月下旬から衆議院での審議に入りますが、ここで阻止できなければ、来年には輸入CDが一切買えなくなってもおかしくないということです。

日本の音楽市場は、世界的に見てもCD単価が最も高く、しかも再販制度があるため、安売りを事実上禁止されています。

「諸外国にも(CDの輸入制限を行う)輸入権という法律はあるが、再販制度と輸入権の両方がある国はない」(マックルーア氏)。
「輸入盤として入ってくるCDを規制しつつ、国内での販売価格を規制する再販制度があるのはズルい」(ピーター・バラカン氏)。

私も同感です。

最近、法律の改正がいろいろ審議となっていますが、成立するまでは「これこれという影響はない」と政府も言っていたのに、実際に成立したとたん言葉を裏返し大規模な取締りを始める、という傾向が非常に強くなっています。
国歌・国旗の問題など、その最たるものでしょう。

こういう「ダブルスタンダードな法律の成立が増えている」という事実そのものに、私は強い恐怖を覚えます。

2004/05/12

毎日新聞社説:ウィニー摘発 逮捕だけでは解決しない
読売新聞社説:[ウィニー摘発]「ネット社会に警鐘を鳴らした」
東京新聞社説:違法ソフト 著作権と技術の両立を

Winny逮捕関係は予想以上にメディアを賑わせています。

マスコミ各社では多くが社説の対照としており、どうやら「作者の無責任ぶりは逮捕されても仕方ないとも思えるが、海外の例から言えば著作権法違反幇助で立件は困難かもしれない。少なくとも、この逮捕が新しい技術への萎縮につながらないようあるべきだろう」という意見に落ち着いていきそう。

まぁ実際、そういう流れにならざるをえないでしょうね。
それだけ判断が難しいところだということです。

2004/05/12

「イラク報道に疑問」 森住さん、産経新聞の賞を辞退

「私たちはいま、イラクにいます」(講談社)という本が産経児童出版文化賞の一つに選ばれた。
しかしその著者であるフォトジャーナリストの森住卓さん(53)は、これを辞退した。

理由は産経新聞社の姿勢にある。
この本では、「劣化ウラン弾の影響とみられる障害のあるイラクの子どもたち」が主役だ。
しかし産経新聞社はイラク戦争に賛成し、言わばアメリカに荷担している側なのだ。

「賞を受けたらイラクの子どもたちに顔向けできなくなってしまいます」と森住さんは言う。

2004/05/11

宝島社の「いい医者・病院」本に患者団体抗議 取材なし

『全国ネットワーク「患者の会」が薦める! 病気別全国600 いい医者 いい病院 完全保存版』という本が告発を受けています。

名前を使用されている「患者の会」の中に、実際には取材を受けていない、医師も病院も推薦していないのに名前を使われた団体が含まれているとのこと。
また、「リストの中には多数の患者から会に苦情が寄せられている医師も含まれている」そうです。

担当のライターが「確認しようと何度か電話したがつながらなかった」ので「リストは、自分がいいと思う医師や病院を編集部に提出した」というのは、あまりにもずさん過ぎます。
名前を使われた団体にしてみれば、会の主旨を損ないかねません。

出版社サイドから「表現にいきすぎがあるという判断になれば、回収や重版しないなどの処置を取りたい」というコメントが提示されていますが、その程度の処置だけで済む話ではないような…。

2004/05/11

それでも消えない米軍誤射説

イラク関連。
ここでも以前取り上げたことのある「イラクで発生した日本人外交官殺害事件は、米軍誤射ではなかったのか」という疑惑ですが、一応鑑定の結果「米軍誤射の可能性は薄い」という見方が流れたものの、どうもその鑑定結果自体が怪しい…あるいは中途半端…な様子です。

アメリカも日本も「殺害はテロによるもの」という見解ですが、この記事を読むと、やはりアメリカも日本も真相を隠してるのではないか、と思えてしまいます。
なにせあれだけ残虐なことを平気でやったアメリカ軍ですからね…。

気になる人はぜひ読んでください。

2004/05/11

クローズアップ2004:米兵イラク人虐待 対応後手、不信底なし

毎日新聞が総括的なまとめ方をしてくれています。
イラクでの虐待について状況を確認したい方は、これを読むと分かりやすいでしょう。

2004/05/11

輸入洋盤CDが買えなくなる!?

「洋楽の輸入盤を規制することを意図したものではない」が、欧米のレコード会社が日本国内での販売を禁止する措置を取れば、輸入がストップする可能性がある」ということで、「著作権法改正案」は大変危険な状況にあります。

詳しくはここには書きません。
しかし、流通のグローバル化を止めるための規制というのは、特定の業者を保護する政策でしかありません。

CDは、発売開始当初は「音質が半永久的に損なわれない」だの「小ロット生産が可能になるので古い音源も廃盤にならない」だの言われていましたが、今じゃそんなこと誰も信じていません。

私の手持ちのCDで、劣化によってリードエラーが頻繁に出るものがいくつかありますし、国内盤があっというまに消えたので、仕方なくヨーロッパ盤やアメリカ盤で注文しているものも数多くあります。
しかも国内盤の値段の高さと言ったら、海外盤と比べると、どうしてこんな暴利が許されるのかと思えるぐらい。

こんな状態の中で「輸入洋盤CDが買えなくなる」?
とんでもないことだと思いますよ。私は。

2004/05/11

どこまで問えるソフト開発者の責任 ウィニー逮捕の波紋
Winny開発者逮捕でACCSがコメント発表「開発者にも一定の責任」
数多くのオンラインソフトを公開した作者が著作権法違反ほう助の疑いで逮捕

Winny作者の逮捕では、「開発者の意図が著作権違反にあるのなら、やはり処罰の対象であるべきだ」という意見と、「違法にも合法にも使える技術を開発したことに対して、違法に使う利用者が多いからといって処罰するのは正当性がない」という意見に、世論は大きく分かれています。

なにせこうした形での逮捕は、世界でも初めてだけに、意見が分かれるのは当然でしょう。

その逮捕に関して、実は気になっていることが、ほかにもいくつかあります。

一つは、いくつかの新聞に載った、『調べに対し、「結果的に自分の行為が法律にぶつかってしまうので逮捕されても仕方ない」と供述している』という文章。
「逮捕されても仕方ない」とは「逮捕されるべき犯罪だった」とは、必ずしもイコールではありません。
新聞でこれを読んだ人は「彼は既に、犯罪であったことを認めているのだな」と考えてしまうでしょう。
もちろん読者がそう考えやすいように、警察があえて発表したのでしょうが、彼がどんな文脈の中で、取調べに対してそう語ったのか、それは記事だけでは分かりません。
既に自白しているかのような印象を与えることで、警察の正当性を強調しているのだとしたら、逆に「むしろ正当性が薄い」からこそ、こうした発表の仕方をしたのだろうと思えてしまうのですが、これは私だけの見方でしょうか?

もう一つ、大きな疑問点を上げておきます。
Winnyを使ったファイル交換は、パソコン雑誌の多くで特集を組まれてきています。
実際の使い方を丁寧に解説した単行本もずいぶん出ています。
こうした書籍は幇助にあたらないのでしょうか?
ソフトを開発し公開することと、そのソフトを紹介し、使い方を解説することは、私にはほとんど同じ行為に見えます。
Winnyが無料のソフトとして公開されていたものであること、そして使い方を利用者にゆだねたものであることを考えると、更には、記事の多くで「お宝ゲット」だの「映画が手に入る」だの書いていたことを考えると、むしろそうした記事で稼いでいた編集部や記者のほうが悪質であると思えます。
少なくとも、著作権違反幇助という犯罪を問うのであれば、そうした編集部のほうが意図的であったと言えるでしょう。
しかし、編集部も記者も、おとがめを受けたという話を聞いたことがありません。
このバランスの悪さが、私には大変気持ち悪いのです。

2004/05/10

ファイル交換ソフト:ウィニー開発の東大助手を逮捕
Winny開発者、逮捕へ
Winny開発の東大助手を逮捕 著作権法違反幇助容疑

P2Pソフト、ファイル共有ソフトとして有名なWinnyを作成した作者が、京都府警に逮捕されたそうです。
しかし、インターネット上では、この逮捕は不当逮捕だろうという憶測が多く、私自身もこの逮捕には危惧を感じます。

「ファイル共有ソフト」は一般には「違法複製」の技術として認知されており、この逮捕もその流れに沿ったものでしょうが、実際には、ファイルが複製できることそのものは、別に違法でもなんでもありません。
「ファイルの共有」にも「複製」にも、「違法のものもあれば、合法のものもある」というだけの話。ファイル共有ソフトそのものは、違法行為にも合法行為にも使えるものなのです。

これは例えば、「盗聴機が違法な盗聴に使われている」から、「盗聴機を作成・販売するメーカーや販売会社」は全て逮捕する、というのとほぼ同列の事件です。
しかし実際には、盗聴機を売るメーカーや販売会社が逮捕された例はありません。
なぜなら、それは技術を売っているだけの話で、それをどう使うかは購入者・使用者の判断にゆだねられるからです。

仮に「ファイル共有のための技術を開発し公開した」ことが逮捕の直接の理由だとしたら、違法に使われる可能性のある技術は、全て逮捕の対象となる可能性が生じます。
極端な話、インターネットやネットワークという技術そのものが「違法に使われる可能性のある技術」と判断される可能性すら出てくるでしょう。
これは焚書坑儒や魔女狩りと等しく、かなり野蛮な法の使い方ではないでしょうか。

違法かどうかという判断には、常にグレイゾーンが存在します。
しかし「疑わしきは罰せず」から言えば、グレイゾーンは処罰の対象となるべきではありません。

記事には『P2Pソフトの開発者が権利者側から民事訴訟を起こされた例はあるが、「著作権法違反をほう助した」などとして刑事事件の対象になるのは世界的にも極めて異例』とありますが、これは要するに、「世界的に見て、この逮捕には無理があるのではないか」ということでもあるのです。
事実、毎日新聞には『使いようによっては毒にも薬にもなるこのような単なる「道具」を開発したため逮捕されるということは、今後論議を呼ぶことは間違いない』とも書かれています。

実のところ、ネット上には、「先日、京都府警の捜査書類がWinnyに流出してしまったため、面子のために逮捕に踏み切ったのではないか」という意見すら見られます。
これが事実かどうかは分かりませんが、どうにも釈然としない状況にあることだけは確かでしょう。
今後の成り行きに注視する必要があります。

2004/05/08

個人情報の「お値段」は500円? 流出で企業対応様々

個人情報流出事件が山のように起きています。
ずさんな企業体質を改めてもらうのは当然として、流出された個人への保障はどうあるべきなんでしょう。

この記事を読むと、この保障が実に難しい状況であることがよく分かります。
実際の裁判例では慰謝料額は1人1万円が下限であるのに、現実には500円程度で仕方ない、という空気があります。

ソフトバンクは「あまりに高額な賠償金を課すと、恐喝が容易になるおそれもある」と警戒し、先日の情報漏洩による出費が40億円であることを強調しますが、しかし安い賠償額が当たり前では、セキュリティに金や神経を使う必要はない、という論理にもつながるでしょう。

莫大な金額になったのは、流出した件数があまりにも多く、またあまりにもずさんな管理しか行っていたからだということを、見逃すべきではありません。
企業の意識をしっかりさせるためにも、ある程度の保障金額は絶対に必要だと私は思います。

ただ、個人情報と一口に言いますが、個人情報には何段階ものレベルがあります。
「名前と住所だけの名簿」と、それに「生年月日やクレジットカード番号に加わったもの」を、等しく「個人情報」と呼んでいるのが、今のマスコミの実体です。
更に「趣味嗜好」「家族構成」「購入品の明細」なども加わった名簿となれば、それが流出した時にどれほどの被害が発生するか。

おそらく、個人情報漏洩に関する保険業が今後は一般的なものとなっていくのでしょう。
そういう所で算出されない限り、正当な金額というものはおそらく分かりません。
ただ、500円ではあまりにも安いよなぁ、と私は思います。

2004/05/08

未納のツケ…「実は8年」報道直後の辞意表明
福田長官辞任、与野党に衝撃…波及懸念も
4知事に年金未納期間 石原氏「調査中」 朝日新聞調査

国内では今一番大きな問題となっているのは、なんといっても年金問題。
閣僚も含め、年金未納期間のある議員が続出し、しかも「歴代最長の在任記録を更新中だった福田官房長官」が、実は未納期間が8年にも及ぶことが発覚したこともあって「内閣のスポークスマンとして、政治不信を増幅してしまった」として辞任。
何年かぶりかの一大スキャンダルと化してしまった感があります。

しかし、ここまで話が大きくなったのは、そもそも年金制度の異常なほどの複雑さが原因です。
長い期間未納であった彼らにしても、本当に意図的に支払わなかったのか、疑問が残ります。
もしそうであったら、江角マキコ氏をあれほどまでに弾劾したでしょうか?
政治家に反省を促すことは当然ですが、政治家を辞めることで決着させることは、こうなってはあまり意味がないような気がします。

年金制度の問題は、「複雑な制度であること」「2年を超える未納期間があっても、改めて納付することができないこと」「納付が義務化しているにも関わらず、罰則規定がないこと」「状況に応じて納付を先送りするなり免責するなりの制度がないこと」「未納であることを自覚するための処方が、全くと言っていいほど整備されていないこと」などでしょう。
3分で思いつくだけでもこれだけの問題が浮かびます。

国会では「とりあえずの対処」的な改定案ができていますが、根本的な解決になっていないことは明らかです。
せっかくこれだけの大騒ぎになったのですから、ここはじっくりと大改革を進めるべきでしょう。
大改革を行うためには、一時的な凍結期間を確保するための制度も必要です。
かなりやっかいな状況ではありますが、この状況は、付け刃ではない、本格的な改革のチャンスでもあるはずです。

2004/05/08

「人道上許されない行為」 自民橋本派で虐待批判相次ぐ
女性も裸で撮影、性行為強要も…米軍のイラク人虐待
イラク人虐待:「米兵が少女裸にし殴打」 英TV放送

数日、忙しくてニュースの更新を止めていたのですが、イラクでの虐待関連のニュースは止まりそうにありません。

少女を裸にして殴りレイプ。子供の目の前で裸の父親に女性用の下着を強要。老婆に蔵をつけまたがりロバ扱い…。
「米兵たちは写真を撮って楽しんでいた。彼らは誰が一番ぞっとする写真を撮れるかを競い合っていた」

アメリカではラムズフェルド国防長官が「全面的に私に責任がある」と非を認めたうえで、「虐待を受けた拘束者に深くおわびする」と謝罪しましたが、米国民の69%は彼が辞任する必要はないと考えているようです。
関係者の対応があまりにも不充分であったことは間違いありませんが、その全責任を国防長官のみに押しつけられるかと言えば、やはり難しいでしょう。
現在のイラクからアメリカが撤退すれば済むという話でもなく、責任者を辞めさせることよりも、現場をいかに正常に回復させるかを優先させなくてはなりません。
国連にしてみても、現状をアメリカから押し付けられても「国連を無視して勝手に戦争を始めたあげくに、状況を悪化させるだけ悪化させて、ケツだけ持ってくるのかよ!」と言いたいところでしょう。もちろん、もっと上品な言葉は使うでしょうが。

私はそもそも自衛隊の派遣に大反対でしたが、ここまでこじれてくると、逆に、自衛隊のような特殊な部隊でないと、イラク人の支持は得られないのではないかと思い始めています。
武器を以って制圧してくるアメリカを中心とした軍事力は、イラク人にとって、レイプと同レベルの非道な外圧にすぎなくなっているからです。
国連が主体となったとしても、アメリカ兵に対するイラク人の反応は、当分変わらないでしょう。
しかし、日本が平和憲法を持ち、積極的な戦争は行わない軍であることは、イラク人も一応は(あくまでも「一応は」ですが)理解しています。
アメリカから距離を置いたうえで、日本が平和維持のためだけに注力できるなら、イラクでの支持を取りつけられる可能性があるでしょう。

しかし、これもなお困難な方法であることは間違いありません。
日本がアメリカと距離を置くことが前提となるからです。

自民党の中でも、さすがにアメリカと距離を置く必要性が認識されはじめています。
当然といえば当然でしょう。このままでは共倒れの可能性すらあるからです。
イラク人への虐待は、イラクが21世紀のベトナムであることを改めて示唆しています。
世界的に信頼を失ったアメリカと、どう距離を保ちつつ、協調できるのか。日本の外交もここが試金石となることは間違いありません。

2004/05/03

虐待は『CIA指示』 イラク駐留米兵
イラク人虐待に軍情報機関関与、准将が示唆
尋問中の殺害疑惑も浮上 米軍のイラク人虐待問題

虐待されたイラク人ですが、どうやら「検問所や一般住宅から無差別に選ばれた人間」だった様子。つまり単なる民間人である可能性が強く、特殊な嫌疑がかけられていたわけでもないようです。
中には虐待によって死亡したイラク人もいて、「遺体がひそかに遺棄された疑いがある」とか。

虐待の内容には「裸にした上で自慰や同性同士での性的接触を命じたり、女性の下着をつけさせて独房に手錠でつなぐなど辱めたほか、軍犬にかませた」という証言もあり、実に悪質です。
特にイスラム教では、男同士であっても他人の裸を見ることも禁じていますから、精神的な苦痛はかなり強かったでしょう。

既に米陸軍は「女性を含む六兵士を拘束、軍法会議開廷のための審理を始めたほか、刑務所の責任者だった女性准将を停職処分にした」そうですが、どうも事実の確認よりも処分を優先したように感じられます。とかげの尻尾切りなのでしょう。

虐待は米中央情報局(CIA)がその首謀者だったようですが、情報収集のためということは、フセインを拘束すること、大量破壊兵器を探し出すこと、この2つの理由で行われた可能性が強そうです。
だとしたらこれは、戦争を始めたアメリカの「戦争の理由」を意地でも見つけ出してやる、そのためにはイラク民間人に何をしても構わない、という、米政府が主体となった、なりふり構わない行動でしょう。
米兵士数人を処分して済む話ではありません。

この事件によって、アメリカはアラブ諸国ほぼ全てを敵に回したでしょうし、アメリカの協力者であった諸国も、アメリカを冷めた目で見ざるをえなくなりました。

イラク戦争終結宣言を行って一年経ちましたが、この一年でアメリカの尊厳はすっかり地に落ちました。
私が好きだったかつてのアメリカに戻る日は、果たして来るのでしょうか。

2004/05/02

イラク人虐待「組織的」 米誌、軍内部報告を暴露
イラク人虐待:奨励する米軍内部報告書が存在 米誌報道
イラク人虐待、「CIAが奨励」の報告書 米誌報道

記事を読んだ私は、目を疑わずにいられませんでした。
報道された、米軍によるイラク人虐待は、米軍の一部の兵が暴走した結果なのではなく、米軍が組織的に行ったものだというのです。

『尋問を最優先する米情報機関員が虐待を奨励していた。自白に追い込んだ際には「よくやった」と兵士をほめ、軍高官もこれを黙認していた』
『体的には▽化学薬品や冷水を浴びせたり、椅子で殴打する▽ほうきの柄で性的暴行を行う▽軍犬をけしかけて脅す−−など』
『軍の情報担当者やCIA関係者らが兵士らに尋問にふさわしいように(イラク人の)体力や精神状態を整えるよう積極的に要請した』
『アブガリブ刑務所には女性や子供も含め、数千人が収容されていると見られるが、報告書によれば、6割は「社会に脅威を与えるとは見なせない」人々で、釈放されるのが適当だという』

アメリカは、第二次世界大戦でナチスがやった非道を、イラクで繰り返そうとしているのでしょうか。
今のアメリカは狂っています。そうとしか言いようがない。
こんなアメリカに日本が協力している…。
その事実はあまりにも苦々しく重いです。

しかし一方で、こういう事実を暴露できるアメリカという国も、また凄いと思います。
アメリカは今、狂気が支配し病んではいるものの、そこには理性を失わない人達も存在する…それこそがアメリカの底力なのでしょう。

2004/05/02

「仮装大賞」ペプシCMで世界放送へ 第69回優勝作「ピンポン」アイデアを採用
仮装大賞 最近の名作(動画で見られます)

ペプシ・コーラのCMで、第69回仮装大賞の「ピンポン」を再現するそうです。
映画の「ピンポン」はCGとは思えない(笑)渋いCGで圧倒的なスピード感を演出していましたが、仮装大賞の「ピンポン」は黒子による演出。
しかし、視点が映画カメラ並に3Dに移動していく様子は、確かにすごいアイデアだと思いました。

にしても、ペプシ・コーラはすごいところに目を付けましたね。
確かにこのニュースには驚きましたが、ペプシマンの妙にアナログで3枚目なノリは、確かに仮装大賞に通じるものがあります。

ちなみに、この作品の作者、現在32歳の梶原さんは、「過去25回予選に出場し、優勝4回、ユーモア賞2回、ファンタジー賞2回」を受賞してるのだそうです。
仮装大賞は年3回の放送ですから、少なくとも8年、ずっと仕事の傍ら仮装大賞を続けていたわけですか。
ある意味、ものすごい才能ですよね。

2つめのリンク先で、これの動画を見ることができます。

2004/05/01

イラク人死者数、米軍の10倍相当と 4月単独数字
イラク人虐待、全裸ピラミッドや処刑まね
米英軍が暴行、布袋のイラク人に放尿

米軍の一部がイラク人に対して虐待を行っている事実が、報道写真によって明るみに出ていますが、この4月、イラク人の死亡者数は1,361名、対して米軍の死亡者数は136人。ちょうど10倍であったようです。

アメリカは、テロ予防、そしてフセイン排除の目的で、イラク戦争を行ったはずですが、多くのイラク人にとっては「フセインがブッシュに代わったものの、圧政の度合いは更に悪化した」という認識でしょう。
しかも世界で起きているテロは、イラク戦争以前と比べても確実に増えています。

アメリカは、イラクで民間人を含めた攻撃を行っている一方で、イラクと仲の悪いイスラエルをあからさまに支持・支援しています。
イスラエルが行った暗殺というテロ活動も含めてです。
こんな状況にあって、イラク人がアメリカによる占領を喜べるはずがありません。

もしこの虐待写真の公開が、邦人の解放より先であったら。
5人の邦人は、決して虐待されたわけではなく、拉致されたものの、客人扱いだったようですが、それでもなお、より過酷な運命が待っていたのではないか。
そう思えてなりません。

21世紀の公園で