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2007/08/17

2008年北京オリンピック、公式OSはWindws XP
「Vista Capable」は不当表示?
Ubuntu Japanese Team Webサイト

PC関連の記事を読んで、久々に苦笑(大笑い?)してしまった。

いや、だってねぇ。
来年の北京オリンピック、公式OSは「Windows XP」だって言うんだもの。
Microsoft社にしてみれば、XPは過去のOSであって、ちょっとでも早くVistaに乗り換えて欲しいはず。
でも世界的なイベントで、Vistaは使い物にならない…とまでは言わないにしても、まぁ、それに近い宣言をされちゃったわけですよ。
記事においても『市場では使い勝手は非常に悪く、 Windows Meに並ぶ、失敗作という見方も広まっていた』なんて書かれちゃってるし。

もう一つの記事はコラムだから、まぁ、かなり主観的な意見であることは確かなんだけど、それでも『Microsoftの顧客の間でVistaのことを「Windows Me II」と揶揄する声が上がっているのも、なるほど、無理からぬことだ』なんて切って捨てているのはあまりにも爽快過ぎる(いや、むご過ぎる?)。
ご丁寧にも『Windows Millennium Edition(Me)はそれまでのWindowsのなかで最もひどいバージョンだった』と注釈付きだ。

Vistaの「業界での評判」は、どうやら発売から半年も経たずして、最悪に近いあたりまで転落してしまったようだ。
少なくとも、「そう言われても仕方ない」という雰囲気になってしまって、Microsoft社にも、その声を止めておくだけの力がなくなってきているらしい。
(いくらなんでも、「Windows Meと同じレベル」っていうのは酷い言い方だとは思うけどね。)

その一方で、最近とても感心してしまったOSもあるから、ちょっと紹介しておこうと思う。
その名を「Ubuntu」と言う。

UbuntuはLinuxの一種で、インターネットから無料で手に入る。
インストールはWindows以上に簡単で、Windowsよりも動作は速く、とても快適にさくさく動く。
基本的なソフト(ワープロ、表計算、インターネットブラウザ、メールソフト、画像編集ソフト等)はほぼ全て最初から入っているし、動作の雰囲気もWindows98やXPとかなり似てる。

おそらく、ほとんどのパソコンユーザーは、大きなストレスなしに使えるんじゃないだろうか。
XPからVistaに乗り換えるよりも、XPからUbuntuに乗り換える方が、多分楽だろうとすら思う。
Linuxもこんなに使いやすくなったんだなぁ、とつくづく感心してしまった。

もちろん、世の中のパソコンのインフラは、Windows XP中心になってしまっているから、誰にでもUbuntuを勧められるとは言えない。
たとえばプリンタ等の周辺機器を接続しようとしたとき、そのプリンタのマニュアルにはXPへの接続方法しか書かれていないはず。
だから、いくらVistaがダメなOSであっても、Windowsを捨てるのは、普通の人には、賢明な選択とは言えない。

でもたとえば、学校等の公共施設にある古いパソコンを蘇らせることを考えてみよう。
あるいは、ちょっと古いパソコンを、子供用にできないかと考えてみる。

Ubuntuを使えば(入れてあげれば)、ほとんど費用をかけずにできるのだ。
少なくとも、素のWindows98やMeよりも、確実に快適な環境になる。
学校の授業に必要と思われる機能はほとんど入っている。
いや、授業だけじゃなく、おそらく業務に必要な機能の大半は、Ubuntuだけでまかなえるはず。

Linuxは、何年も前から、Windowsに代わるOSとして期待されてきた。
でも、なかなか「代替えできる」という実感にまでならなかった。
僕は、機会を作っては、不定期にとはいえ、いろんなLinuxを触ってきたけれど、「Linuxは、既に実用レベルだけど、Windowsに比べると、やはり難しい」という感想はなかなか崩れなかった。

でも、Ubuntuを触って、やっと初めて、「Windowsと同等に使える」と思えたのだ。
(Windowsよりも使い勝手が悪い面もあるが、別の面においてはWindows以上の使い良さもあり、総合力として同等ということ。)

現実には、あと数年経ったとしても、LinuxがWindowsを払拭できるとは思えない。
Windowsには、たくさんの「使えるソフト(販売されているものも、インターネットで無料で入手できるものも)」があり、その膨大な財産を捨てられるには、もっと多くの年月がかかるだろう。

でも、Windowsと違って、Linuxは無料で使える。
無料で使い続けることができる。
Windowsは、Microsoft社がサポートを打ち切れば、とたんに危険な状態になってしまうけれど、Linuxは事実上、サポート打ち切りがない。(仮に使っているLinuxのサポートが切れたとしても、新しいLinuxを無料で入手して入れればいいだけなのだから!)
これはものすごく大きなアドバンテージだ。

WindowsとLinuxを使い分けるという時代は、確かにすぐそばまでやってきてるのだと思う。
Vistaがまごまごしてる間に、気が付いたらLinuxに追い越されている…そんな可能性すら、本当に見えてきている。

Ubuntuに興味が出てきたら、ぜひ触ってみてほしい。
Ubuntuは、Windowsの入っているパソコンにインストールして、UbuntuとWindowsを使い分けるような設定にもできるし、専用のCDからUbuntuを起動して使うこともできる。
実際に使ってみるには勇気がいるかもしれないが、いざ使ってみたら、その簡単さに、きっと唖然とするはずだ。

21世紀の公園で