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2011/04/05

潮出版社無料WEBコミック 『パエトーン』山岸涼子

リンク先で、山岸涼子の1988年作品『パエトーン』が無料公開されています。

チェルノブイリ事故の直後に、原子力発電の是非をテーマに描かれた作品です。

私は十代の頃から山岸涼子の大ファンで、彼女の作品は一通り持っています。

その大ファンとしては、この作品を紹介するのはなかなか微妙ではあるのです。

なぜかというと、放射能の恐怖をかなり強調して描いていることに加え、作中の原子力に関する解説部分に、間違いと思える点が多々見受けられるから…。

読者が「一切の原子力発電を否定する」といった極端な読み方になってしまうのは怖いですし、また放射能の恐怖ばかりが先立ってしまうような読み方に陥ってしまうことも怖いです。

この点においては、結論を急がず、読者はもっと慎重にならなければいけないと感じます。

しかし、この漫画の核心は「原子力発電を推進する人たちが、わずかでも慢心に陥れば、大規模な災害につながる」という点だと思うのです。

これは今、最も再考を求められているテーマでしょう。

この点において、この時期にこの作品を読み返しておくことは、それなりの重要な意味を持つに違いありません。

また、チェルノブイリ事故の当時、私達がどれほどの恐怖を感じていたか、それを思い出すためにも、重要な作品だろうと思います。

最後にあえて繰り返しておきます。

この作中にある原子力についての解説には、誇張されたものや、間違いが混じっています。

この点に関しては、どうか、十分に配慮してお読みください。

21世紀の公園で