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2004/04/28

「パウエル発言」の引用されない部分 自衛隊も「誇り」と称賛

社説と言っていい記事ですが、内容の概要はこんな感じです。

『人質の自己責任を問う声に「不当な被害者たたきだ」との反撃が活発化』しているが、その『有力な論拠の一つが、イラク戦争を主導したパウエル米国務長官でさえ人質を称賛しているとする発言』。しかしパウエル発言は『実は自衛隊を並列において称賛していた』。『長官発言を孫引きする人々の多くは、パウエル長官が自衛隊派遣を称賛していることすら知らない』

この記事を書いた人は、いったい何を言いたいんでしょう?
「だから自己責任論を否定するのは間違っている」と言いたいのでしょうか?
それとも「自己責任論を否定する人の論旨は不充分だ」と言いたい?
あるいは「自己責任論を否定する人は無知だ」とでも?

パウエル氏がアメリカ国務長官であることは、イラク戦争に関心のあるほとんどの人が知っています。
彼が自衛隊派遣に反対するはずがないのは当然のこと。
反対するどころか、派遣を要請した側の人間なんですから。

「派遣を要請したアメリカ当事者でさえ、拉致された人質を称賛している」というニュアンスは、彼が自衛隊派遣を賞賛してようが、なんら変わらないでしょう。

私は、自衛隊派遣が正しかろうと、間違っていようと、拉致被害者に必要以上の自己責任を押し付ける意見は、人として恥ずべきものだと思います。
昨日も自民党の議員が「反日的分子」などという暴言を吐いたそうですが、日本のため、世界のために微力をつくそうとしている人達に浴びせるべき言葉とはとても思えません。

2004/04/28

ホームページガイドを一部修正しました

ホームページガイドのニュースに、東京新聞と海外ボツ!Newsを追加しました。
また、ZDnetNewsをIT media Newsに訂正しました。
2004年4月28日
21世紀の公園で・管理人(ちゅん)

2004/04/26

Windowsのシェア、2007年には58%に?
LinuxでWindowsアプリをシームレスに動かすミドルウェア

2つの記事には直接の関係はありませんが、数年先のパソコンがどう変わっているかという点で、共に注目すべき指標となる可能性があります。

一つは、現在世界の90%のパソコンで動作しているWindowsというOSのシェアが、今後次第に落ち込んでいくだろうという予測。
なんといっても、Linuxの完成度がWindowsに迫ってきていることが大きいです。
最近のLinuxは、WindowsXPにはまだ負けているものの、Windows98やWindowsMe程度の使い勝手は、既に獲得しています。

しかしLinuxの最大の弱点は、「出回っているソフトの大半は、Windows用のものだ」という点です。
市販ソフトもそうですし、インターネット上で手に入る無料のソフトも、そのほとんどがWindows用なのです。
いくらLinuxが安価に導入できるとはいえ、肝心のソフトが使えないのでは…。

ところが、Windows用のソフトがLinux上で快適に使えるようになる可能性もあるのです。
それが2つめの記事。
以前からLinux上でWindowsのソフトが使えるという環境を望む声は強かったし、そうした開発はあちこちで試されていましたが、やっとそれが実現するかもしれないわけです。

と言いながらも、オオカミ少年のごとく、また「期待したけどやっぱダメだったか」となる可能性は否定しきれないのですが。
いずれにせよ、「パソコン=Windows」という図式は、WindowsXPを頂点として、ゆっくりと崩れていくのかもしれません。

2004/04/24

坂本「教授」ら3人が金融NPO 環境保護に低利融資
ap bankホームページ
BGM〜Bank with Gift of Music for AP BANK

「ミュージシャンの坂本龍一、小林武史(マイ・リトル・ラバー)、桜井和寿(ミスター・チルドレン)の3氏が中心となり、資金繰りが苦しいNPO(非営利組織)などの市民活動を支援する金融NPOを発足させた」そうです。

「資産の運用先を銀行まかせにせず、自分たちが望む事業に役立てたい」
融資するのは金融NPOの「APバンク」で、拠出金は総額1億円規模。

NPO活動にとって大変嬉しいニュースだと思いますし、同時に、かつて「歌が世界を変える」と言われた時代を彷彿します。
いい話だなぁ。
朝日新聞が1面トップに持ってきた気持ちがよく分かります。

いらぬ突込みになりますが、記事では坂本教授が主役みたいですが、3つめのリンクを読む限り、ap bankの設立は櫻井和寿と小林武史がメインの様子。

2004/04/24

解放3人診察 斎藤 学氏に聞く

気になっている人は、ぜひ読んでみてください。
私は、この記事、そして医師のスタンスに共感を覚えました。

2004/04/23

真冬並み寒気南下、山沿いでは雪も 気象庁注意呼びかけ

「23日夜から25日にかけて北日本や東日本の山沿いでは、雪が降ったり、積もったりするおそれがある」そうです。

このところ、すっかり夏と言っていい暑さだっただけに、記事を見て目を疑ってしまいました。
冬服を仕舞ってしまったご家庭も多いでしょうが、もう一度必要かもしれませんね。

2004/04/23

朝日新聞 > ニュース特集 > イラク邦人拘束

今日の朝日新聞の15面に「opinion◎news project」という特集があります。
そこにオーストラリア国立大教授のテッサ・モーリス=スズキ氏の寄稿が掲載されています。

読んで、その文章の明晰さに感心してしまいました。
しかし朝日新聞社のHPでは、この記事のリンクは見当たらないし、かといって全文ここに書き出してしまうと著作権侵害になりそうなので、一部をまとめなおして紹介しておこうと思います。

(以下は私が約半分のボリュームにまとめなおしたもの。せっかくの明晰さが犠牲になっていますがご容赦ください。)

「軍務を下請けする米国民間企業の職員4人が3月31日、ファルージャで惨殺された。米政府は報復として軍事攻撃を行い、ファルージャで700人が死亡した。その多くは女性や子供である。報道が規制されているため、この惨状を伝えたのはフリーカメラマンである。市民への攻撃に対抗し、イラクの武装勢力は米国の協力者とみなした外国人の誘拐を始めた。誘拐された人々に対し、日本の政治家やマスメディアからは自己責任論(救出費用は誘拐された当人が全額支払うべき)が出ている。」

「自己責任論を主張する人々に質問したい。米民間人も危険な場所だと理解していたはずだが、では彼らが殺害されたことは彼らの自己責任なのか。また、それが自己責任であるなら、殺された民間人の家族は、その後に展開された米軍の活動費用を負担すべきなのか。さらにファルージャの市民にも謝罪し、殺害された何百人もの市民に保証金を支払うべきなのか。これを考えれば、被害者を非難する論理がいかに転倒しているか分かるはずだ。」

「国家には国民の命を可能な限り守る義務がある。その国民が善人か、悪人か、愚者かとは無関係に、この責務は果たされなくてはならない。他方、どの国家にも、自国民が殺された報復として罪も無い市民に制裁攻撃する権利はない。その行為は19世紀の帝国主義のものであり、21世紀には全くふさわしくない。」

ここからは私の補注です。
すっかり忘れてしまっている方も世間には多いようですが、私達が普段支払っている税金は、自分たちの命や生活を守るための保証金でもあるのです。
守ってもらうことを見返りとして、国に支払っている。
「国策に反対する人は守らない」とか「国策と合い入れない人のみ実費全額を請求する」とか言い出したら、それは特定の思想に対する弾圧と同じではないのでしょうか。

2004/04/22

第8回手塚治虫文化賞◆マンガ大賞は岡崎京子氏「ヘルタースケルター」◆
手塚治虫文化賞 受賞の記録

昨日、第8回手塚治虫文化賞が発表されました。
(以下敬称を略します。)

●マンガ大賞:「ヘルタースケルター」岡崎京子
●新生賞:もりもと崇(「難波鉦異本」で、江戸時代の遊女の世界と現代感覚を融合させた表現に対して)
●短編賞:秋月りす(「OL進化論」など一連の作品に対して)
●特別賞:みなもと太郎(史マンガの新境地開拓とマンガ文化への貢献に対して)

以下は1次選考結果(5位まで)の受賞作以外
・「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰
・「NANA−−ナナ−−」矢沢あい
・「少年少女」福島聡
・「鋼の錬金術師」荒川弘
・「ハチミツとクローバー」羽海野チカ
・「舞姫テレプシコーラ」山岸凉子
・「まんが紀行 奥の細道」すずき大和

1次選考の時点では「ブラックジャックによろしく」が最高得点だったものの、作者がノミネートを辞退されたそうです。

受賞結果を見ると、結果的には、功労賞的な扱いになってしまったかな、という感じがしますね。

岡崎京子さんは未だ病院でリハビリ中のようですが、しかし彼女の作品が昨年何冊か出たことで、「やっと回復に向かったのだな」と、とても喜んだファンの方は多いでしょう。
期待をかけすぎるのは申し訳無いとは思うものの、早く復帰して欲しいマンガ家であることは間違いありません。

個人的には、「舞姫テレプシコーラ」が受賞して欲しかったかな。
山岸凉子さんのマンガはどれも凄いですが、この作品は言わば「アラベスク」の現代日本版。
昔、アラベスクに感動した人は絶対に見落とせないでしょうし、そんなことを知らなくても、もちろん第一級の作品であることは間違いありません。

2004/04/21

国家の責任 小泉流『自己責任論』がかき消した

非戦闘地域はどこにあるのか?
救出に向けて日本が打てた有効策は一つでもあったのか?
自己責任論は、イラク派遣を合理化するために政府が流した、意図的な情報操作ではないのか?

拉致された方々が助かったのは、結局のところ、日本政府が救出しようとしたからではないでしょう。
むしろ小泉首相の「テロリスト」発言によって、現地の反日感情は悪化しており、彼らが殺される可能性は増えたのではないのでしょうか。

日本が拉致に関する情報を集めようとしたのは確かですが、決して救出しようとはしなかった。
それでいて、救出にかかった費用を全額請求すべきだという世論を作ろうとしていることに、私は恐怖を感じます。

解放された彼らを「自己責任論」によって国賊扱いにし、「自衛隊撤退論」は全て「テロに屈する理論」であるかのように見なす。
どちらも自衛隊派遣を合理化するための情報操作でしょう。
自衛隊派遣は「非戦闘地域が前提」であったはずなのに、「非戦闘地域など無い」という事実を「自己責任論」が覆い隠してしまっています。

言葉にごまかされず、冷静になって、イラクについて考えないといけません。
今日本は、戦闘地帯に自衛隊を派遣しています。
それは国会でも許可されていない事態のはずです。
既成事実の積み重ねによって、「戦闘地域への自衛隊派遣」が当然となることを、私は一番危惧します。

2004/04/21

仏紙ルモンド、人質事件で自己責任問う声に皮肉
「高遠さんらを誇りにすべき」 米国務長官が評価 自己責任論も否定

「人道的価値観に駆り立てられた若者たちが、死刑制度や厳しい難民認定など(国際社会で)決して良くない日本のイメージを高めたことを誇るべきなのに、政治家や保守系メディアは逆にこきおろしている」

大スジで同感です。
死刑制度を撤廃すべきかどうかは、私は意見を保留したいのですが、しかしそれ以外は同感と言っていいですね。

「自己責任」という言葉が今回多くマスコミで使われていますが、「国策を無視して勝手に行ったのだから、見殺しにしてもよかった」という意味で「自己責任」と言っているのであれば、それはとんでもないことだと思います。

今回の3人がそうだという訳ではありませんが、たとえば彼らが、仮に国と対立している人達であっても、国が彼らを見捨てていいわけではありません。
3人を救出するために使った金額全額を3人に請求するなど、もってのほかです。(片道の通常のフライト料金と健康診断にかかった費用、という常識的な話であれば、私も同意できますが。)

米軍の要請に従って自衛隊を派遣した以上、この事件は回避しようがなかったと思います。
彼らが拉致されなければ、他の人が拉致されただけでしょう。
ようは、彼ら3人だけの問題ではないのです。

小泉首相は「国民も覚悟の上で自衛隊を派遣している」と言いますが、もしそうだとしたら、邦人が人質にされること、あるいは国内でテロが起きること、両方が「覚悟の上」の話でしょうし、今回使った予算も決して予想外の出費ではなかったはずです。

イラクで拉致された彼らは、危険は承知していたと思います。
ある意味、イラクで死んでも仕方がないとは思っていたでしょう。
しかし、だからといって、日本が彼らを見殺しにしていいはずもありません。

日本政府は2つの選択肢を持っていたはずです。
「国家予算を使わず、見殺しにする」(つまり、彼らの命は彼らの運にまかせるということですね)
「国家予算をかけ、彼らを救出すべく努力する」
今一部の人が主張している「救出にかかった金額は全額、救出された人が支払うべきだ」という意見は、要するに「国家予算を使わず、見殺しにする」と同じです。
ニュアンスは確かに異なって聞こえますが、同じことでしょう。
こんなことを後になって言うのであれば、救出前に「国家予算は使いません。見殺しにします」とはっきり言うべきでした。
そうはっきり言えた人が何人いたことでしょう。

彼らのように、危険な国にあえて出かけることが、賢いことだとは思いません。
しかし、かといって日本国内に留まり、安全な場所から彼らを弾劾する人が、彼らよりも利巧なのでしょうか?
あるいは、彼らよりも正しいのでしょうか?
自分の目で見ることを最初から捨てている人が、自分の目で見ることを選んだ人を責めることができるのでしょうか?

私はむしろ、イラクまで足を運んだ彼らに頭が上がりません。

2004/04/16

イラク:「占領下の苦しみ、日本人はもっと考えて」
各国NGO、イラクから次々と退避
順調な交渉、一転暗雲…情報漏れで仲介パイプ切れる

イラク関係、覚えておくべきニュースをコレクトしておきます。

「日本人は3人の命が助かったといって喜んでいるが、イラクでは数百人、数千人が米軍の攻撃で家族を失っているのだ。そのことを忘れないでもらいたい」

「人道支援に取り組むNGO(非政府組織)が次々とイラクから離れつつある」「人道援助が理解されず非常に残念だ」

「仲介役を務める中東の報道関係者が、解放の具体的な条件を外務省に提示したところ、誤った内容が他の省庁や一部マスコミに漏れ、その報道関係者の信頼を失った」「誤った内容が漏れたのは、政府全体の危機意識が薄く、情報管理が徹底しなかったからだ。省庁ごとに担当分野を区切る今の危機管理体制では、これからも同じ事態が起きる可能性がある」

2004/04/16

解放の3人ドバイへ、17日夕にも帰国
武装勢力、口止めと免責…解放3人質 「次は許さない」不気味な予告
イタリア人の死に方見せてやる…その直後射殺

解放された3人は、イラクでの活動を継続したいという希望も持っていたようですが、とりあえず帰国することにはなった様子。
政府にしてみれば、拘束されていた状況を確認したいのも当然のこと。
やはり帰国して、きちんと状況を説明すべきでしょう。
ただ、彼ら3人に対する批判の声(無謀だの国益に反するだの)が大きくなっていることは気になります。
彼らを責めたてることで、彼らを追い詰めるようなことにならなければ良いのですが。

一方、同じく拘束されていたイタリア人のうち一人は、イタリア政府が軍の引き上げを拒否したことで、射殺されてしまいました。
イタリア軍と自衛隊の性格の違いを、拘束側も理解しているのかもしれませんが、しかし日本人の3人が同じ運命を辿る可能性もあったことは忘れてはなりません。

今回の3人の解放の流れについては、2つめのリンク先・ZAKZAKが詳しいです。

2004/04/16

漫画家:横山光輝さんが死去 「鉄人28号」「三国志」
漫画家の横山光輝さんが死亡 ぼやで全身にやけど
「鉄人28号」の漫画家・横山光輝さんが自宅ぼやで重体

こちらはとても残念なニュースです。
全身やけどで重態とのニュースを読んだとき、ここで取り上げるべきかどうか、迷ったあげくに、あえて取り上げませんでした。
回復できるものなら、なるべく騒ぎたくないと感じたからです。
しかし残念なことに、また大きな星が流れて逝ってしまいました。

3年ほど前から足に怪我をしていて、火から逃げることができなかったようです。
出火の原因は煙草の火がベッドに燃え移った可能性が高いようですが、はっきりとしたことは分かりません。

私がまだ小さい頃、鉄人28号には鉄腕アトム以上に憧れを感じたものです。
それはおそらく、子供の目線なりにリアリティを感じていたからでしょう。
鉄人は強力な武器であり味方ですが、リモコンを盗まれると危険な破壊兵器と化してしまいます。
戦争のために開発されたという設定も、単なる子供向きの夢物語ではなかったと思います。

さらには「伊賀の影丸」「バビル2世」「水滸伝」「三国志」と、どの作品にも戦いの悲哀や政治の難しさが、子供にも分かりやすい形で盛り込まれていたように思います。
女性の方には「魔法使いサリーちゃん」が最も身近な横山作品でしょうか。

普通はマンガの神様と言えば故手塚治虫氏のことを指しますが、実のところ、横山光輝氏、石森章太郎氏、桑田次郎氏など、昭和30年代から活躍されていたマンガ家の中には、神様と呼ばれてもいいのではないかと思える方がずいぶんたくさんいらっしゃいます。
横山光輝氏は今もなお現役で、クオリティーの高い作品を執筆し続けてらっしゃいました。
まだまだ現役でいてほしかったと思います。

2004/04/15

日本人の人質3人解放、イスラム聖職者協会が保護
日本人3人、バグダッドで無事解放 日本大使館に移る
世界中の人に感謝を」 喜びにわく北海道東京事務所

良かった!
感無量です。
関係の方々、皆さん本当にご苦労様でした。

ただ、これで3人は助かりましたが、テロによる人質も、イラク戦争も、まだ終わったわけではありません。
平和的な解決を待ち望みたいと思います。

2004/04/13

解放訴える家族の姿、バグダッドの街の声変えた

邦人3人が拘束された当初、バグダッドでは『「米国に協力する日本からの者はすべて米軍と同罪」と突き放すような意見が目立った』が、今は「イラク人のために働く人々に危害を与えてはいけない」というような、人質に同情的な声が増えているのだそうです。

私は今回の人質事件に対して、どうも気になっていることがあります。
国が「テロに屈してはならない」と言うのも、私はそれなりには分かります。私は異論を持っていますが、しかしその意見も理解できる。
しかしどのマスコミも、「あれはテロ行為であり、許し難い」と言う。これは本当にそうなのでしょうか?

別にテロリストを弁護する気はありません。人質になってしまった方々にも深く同情しているつもりです。
けれど同時に私は、犯人達にも同情の余地を感じます。

彼らの立場になって考えてみてください。
自分の国が倒され、他国の軍隊に支配されていて、自国の市民が多く犠牲になっているのです。
この状態をどうにかしたい。
そのあげくに彼らは戦うことを選び、そして人質を取ることを選んだのです。

犯人にしてみても、人質を殺したいわけではないと私は思いたい。
自分たちの同朋を守るために、他に何も方法を思いつかなかったから、仕方なく事を起してしまったのではないのでしょうか。

今回の犯人達もまた戦争の犠牲者であり、多くの同朋の血が流れたことに傷付いているのです。
決して面白半分にテロを起したはずもない。
少なくとも彼らは、自分達の国のために戦っているつもりなんです。

戦争の恐ろしさは、どちらも「自分こそが被害者だ」と思ってしまうことではないでしょうか。
しかし、日本がアメリカの軍隊に協力していることも事実であり、イラク市民がアメリカ軍によって多数死亡していることも事実なんです。

それを食いとめるために、誰かが何かを成さねばならない。
しかし個人ができることはほとんどありません。
その「ほとんどできない」なかにあって、何かできることを探していたのは、人質になった3人でもあり、また同時に人質を取ったサラヤ・ムジャヒディンの人々でもあるんです。

だからバグダッドの人々は、最初は犯人に同調し、状況が分かると、次第に日本人にも同情してくれているのだと思うのです。

「テロだから悪だ」と切って捨てることは簡単です。
しかし日本が他民族に支配されたことは、今まで幸いにもありませんでした。
彼らは自国を他民族に侵され、それを守りたいのです。
方法は間違っているのかもしれませんが、他の方法を選ぶだけの余裕がなかったであろうことも容易に想像できます。
日本が他国に占領された時、今回彼らの選んだ方法を、切って捨てることが、私は果たしてできるのでしょうか。
それはそのときになってみなければ、とても分からないだろうと思います。

2004/04/09

首相「3人の救出に全力を」と指示 自衛隊撤退は否定
各閣僚、撤退拒否をそろって支持
米国防長官、自衛隊撤退拒否を評価

政府には「イラクから自衛隊を撤退させる」という選択肢はないようです。
それにしても小池百合子環境相の「(人質は)危ないところに自ら飛び込んだ。無謀だ」なんてコメントは、人として間違っていると思います。
そもそも自衛隊派遣は、「イラクにはさほど危険はない」という前提での話だったはずですし。

例えば通常の誘拐事件のとき、身代金も逃走用の車も用意して、犯人の要求はあらかた飲んだうえで、まず人質を助け、次いで犯人逮捕に全力を尽くしますよね。
「それとは話が違う」と言われるかもしれませんが、ではどう話が違うんでしょう。
国家の威信がかかっているから?
テロに屈するとテロリストがつけあがるから?
つけあがらせないためには3人ぐらい死んでも仕方ないですか?

「3人の救出に全力を」とは言いつつも、人質の生命を優先した判断とは思えません。
「人の命が一番重たい」などと言う気はありませんが、本当にそこまでして継続すべき自衛隊派遣なんでしょうか。
私には疑問です。

2004/04/08

イラクで3邦人拘束、自衛隊撤退要求 衛星テレビ放送
イラク中部で韓国人拉致か、スペイン人グループも?
自衛隊3日以内撤退せねば殺害の情報も

イラクで日本人のフリージャーナリストら3人が、「サラヤ・ムジャヒディン」と名乗るイスラム過激派に拘束された模様です。
過激派は交換条件として、自衛隊の撤退を要求。
「撤退しなければ、この3人を殺害すると脅迫している」そうです。

また、韓国人宣教師ら7人、スペイン人、アメリカ人等のグループも連れ去られたようです。
連れ去ったのが同じ組織なのかは分かりませんが、いずれもアメリカ同盟軍の撤退を狙ったものでしょう。
予想はできた事態ですが、こういう状況が本当のことになると思っていた日本人は少ないでしょう。

私はいったん要求を飲み、撤退すべきだと思います。
「テロに屈っすることになっても良いのか」と言われると、確かに情けなくも見えますが、元々自衛隊派遣は、こうした危険なイラクを想定したものではありません。
今の自衛隊派遣は、国連の合意のもと行っているわけではなく、アメリカの期待に応え、日米関係に基づいて行われているということを、改めて思い起こすべきでしょう。
誰かの死を前提にしてまで、続けるべきこととは思えません。

2004/04/08

小泉首相がメルマガで06年退任を明言

小泉純一郎首相が、8日配信の小泉内閣メールマガジンのインタビューで、自民党総裁任期が切れる6年9月末をもって政権から退く意向を明らかにしたそうです。
なぜこの時期に明かしたのかと言えば、やはり選挙に向けての工作でしょうが、どう影響が出るか微妙なところ。

2004/04/08

墜落機:仏作家の戦闘機、60年ぶり確認
「星の王子さま」、サンテグジュペリの墜落地点わかる
サンテグジュペリ搭乗機の残がい発見、墜落地点を特定

しばらくコメント入れたいニュースもなく、実際仕事が忙しくて書くのサボってたんですが、これは書くしかないニュースかな、と思いました。

「星の王子さま」の作者、サンテグジュペリ氏は、第2次大戦の偵察飛行中に消息を絶ったことでも有名ですが、彼の乗っていた飛行機が仏南部マルセイユ沖の地中海の海底で見つかったそうです。
墜落原因は「恐らく永久に分からないだろう」とのこと。

文学の命は比較的長いですが、それでも60年経ってなお多くの人に読まれ続けている作品は決して多くはありません。
僕らが子供の頃読まれていた「名作」も、今の子供達には「過去の作品」でしかなかったり。
特にコンピューターや携帯によって、僕らの生活感覚は大きく変わりました。
そんな中にあっても生き残る小説というのは、かえってシンプルなものに限られてくるのかもしれません。

2004/04/02

イラク:米民間人4人殺害の模様に米国民衝撃
「ファルージャの統制、失ってはいない」 米軍が強調
イラク人暴徒、米民間人4人を虐殺、遺体を引き回す

なぜかこのニュース、日本の大手新聞の扱いは小さめのようですし、中には一切振れていない新聞すらありますが、実際には今後のイラク統治を左右する大きなニュースだろうと思います。

米民間人4人がイラク中部ファルージャで殺害されたのですが、これまでのテロとは内容が明らかに異なります。

2台の四輪駆動車に分乗した4人は銃撃を受け、その後車外に引きずり出され再度撃たれ、火を付けられ、黒焦げになった遺体を何人もの手で打ち据えられたうえ、切断された遺体を橋につり下げられたのですから。
しかもその周りには多くの群集がおり、歓喜の叫びをあげている…という状況が、全て写真と映像に映し出されているのです。
(実際に写真で確認したい方は3番目のリンクをご確認ください。)

アメリカ人にとってこの映像は、怒りと屈辱のものでしょうし、同時に「これほどにアメリカが憎まれていること」「イラク戦争で失ったものの大きさ」を見せつけてくれるものとなっていると思います。

アメリカには、「93年、平和執行部隊の主力としてソマリアに上陸した米海兵隊に死傷者が続出し、その遺体が群衆に引きずり回される映像の衝撃が背景となって米軍が撤退した」という過去があります。
そのときと同じと感じるアメリカ人は多いでしょう。

大統領選が迫っているアメリカにとって、この映像が「イラク関与の転換」となる可能性は大きいはずです。

21世紀の公園で